2019.3~2020.1

国虎の近江八景

「近江八景」とは琵琶湖南部の8つの景勝地を指すものです。近江(現在の滋賀県)の名所と自然の情景の組み合わせは画題として好まれ、江戸時代には浮世絵版画や屛風絵としてさかんに描かれました。なかでも歌川国虎による「近江八景」は遠近感の強調や曲線を多用する自然景描写が特異な雰囲気を醸し出す作品で、謎の多いこの絵師の代表作として挙げられるものです。
今回は大正時代に制作された伊東深水の「近江八景」も併せて展示いたします。個性豊かな八景をお楽しみ頂ければ幸いです。

<展示作品>
粟津の晴嵐堅田の落雁瀬田の夕照比良の暮雪 他

2018.5 ~2019.1

ユーモアと信仰の大津絵

大津絵は江戸時代に滋賀の大谷宿や追分宿など大津領の街道沿いで売られていた一群の絵画で、神仏や英雄のほか、鬼や動物をユーモラスに描いたものなどが知られています。簡略的な画法を特徴とし、江戸時代の後半には土地の名物として広く認識されていました。今回初めて展示する「青面金剛」はかつて各地で流行していた庚申信仰の本尊で、信仰の普及を示す資料ともなるものです。

<展示作品>
大津絵「青面金剛」大津絵「弁慶」大津絵「牛若丸」大津絵「雷神(雷公の太鼓吊り)」 他