瀬田の夕照

琵琶湖から流れ出る瀬田川に架かる瀬田橋は、古くから東方より京へ入る街道上の要衝でした。画中では今まさに大名行列が橋を渡っている最中とみえ、小さいながらも4本の毛槍を確認することができます。画面右の人家の連なりや橋の描写は奥行きを強調しているのに対し、周囲の樹木が全て同じ調子で描かれているため、どこか非現実的で不思議な空間表現となっています。