H29.3.1~
印籠 掌中に宝あり
印籠といって何か思い浮かぶものはありますか。懐から取り出して悪人に見せつけるのは時代劇のお話。本来は腰から提げて使う薬入れでした。しかし一方で装身具としての側面もあり、凝った装飾を施したものが作られます。更に、印籠を提げる際に用いられた根付(留め具)もまた、人々の好みに応じて様々な意匠・形状のものが登場しました。
印籠や根付は時代の流れと共に実生活から遠ざかりました。しかしながら、掌に収まるほどの大きさの品に尽くされた贅沢や凝らされた工夫は今なお我々を惹きつけて止まないように思われます。
今回は館蔵の印籠と初公開の根付を合わせて展示いたします。たなごころで愛でるように、お楽しみ頂ければ幸いです。
<展示作品>
花鳥蒔絵螺鈿印籠、桜花打掛蒔絵螺鈿印籠、鵺退治蒔絵印籠、花兎蒔絵印籠 銘「常川斉」 他
H28.3.1~H29.1.5
筆を執る 江戸文人画と近代の書画
『文人墨客』という言葉があります。詩文や書画に優れ、風雅な遊びを好む人々を指すものですが、そこには多様な「書く/描く」人々が包括されているように感じられます。今回はこの言葉をコンセプトにゆったりと構え、江戸時代の文人画に明治以降の書画を組み合わせました。全ての作品が共通のテーマを有しているものではありませんが、意外な組み合わせの中で思いがけない関係性が見つかるかもしれません。
また今回は「書く/描く」という行為に注目し、李朝の筆筒と江戸時代の矢立を
陶磁器展示室にて展示いたします。多彩な品々の緩やかな繋がりをお楽しみ頂ければ幸いです。
<展示作品>
斎藤茂吉 「おきなぐさ」、夏目漱石 「二行書」、正岡子規 「子規居士戯書」、小杉放菴 「螳螂」 他