2018.3~5

北斎の東海道絵 
―旅と名物と美人―

葛飾北斎(1760-1849)が「東海道」を描いた作品は七種類が確認されています。館蔵品はそのうちの一つに属し、旅人や宿場の人々の姿をクローズアップしたものが多いこと、土地の名物を静物画のように大きく描いたものがあること、そして様々な姿の北斎美人を楽しむことができるのが特徴です。
中には物語の場面を描いたようなものもあり、状況を想像しながら眺めていると興味が尽きません。 今年は期間限定(※)で館蔵の三十九点を一度に展示いたします(※3月1日~5月初旬)。全てをじっくり見るにはちょっと時間がかかりますが、どの土地に何が描かれているのかあれこれ考えながら鑑賞するのもまた面白いのではないでしょうか。

<展示作品>
葛飾北斎「東海道絵」より-「品川」葛飾北斎「東海道絵」より-「小田原」葛飾北斎「東海道絵」より-「桑名」葛飾北斎「東海道絵」より-「土山」 他

H29.3.1~

印籠 掌中に宝あり

印籠といって何か思い浮かぶものはありますか。懐から取り出して悪人に見せつけるのは時代劇のお話。本来は腰から提げて使う薬入れでした。しかし一方で装身具としての側面もあり、凝った装飾を施したものが作られます。更に、印籠を提げる際に用いられた根付(留め具)もまた、人々の好みに応じて様々な意匠・形状のものが登場しました。
印籠や根付は時代の流れと共に実生活から遠ざかりました。しかしながら、掌に収まるほどの大きさの品に尽くされた贅沢や凝らされた工夫は今なお我々を惹きつけて止まないように思われます。
今回は館蔵の印籠と初公開の根付を合わせて展示いたします。たなごころで愛でるように、お楽しみ頂ければ幸いです。

<展示作品>
花鳥蒔絵螺鈿印籠桜花打掛蒔絵螺鈿印籠鵺退治蒔絵印籠花兎蒔絵印籠 銘「常川斉」 他