葛飾北斎「東海道絵」より 「桑名」

葛飾北斎

 松葉で蛤をいぶし焼きにしているのでしょうか。「その手は桑名の焼き蛤」と最初に言ったのは誰なのかわかりませんが、桑名の焼き蛤は『東海道中膝栗毛』にも登場する名物でした。なお、厳密に言うと桑名城下というよりは近郊の富田という場所の名物だったようです。

「東海道五十三次」で知られる歌川広重(1797-1858)が、東海道では唯一の海路である「七里の渡口」で桑名を描いたのに対し、北斎はこの他の「東海道」シリーズでも桑名の焼き蛤を描いています。 (※2018年3月1日~5月初旬の展示)