H28.3.1~H29.1.5
筆を執る 江戸文人画と近代の書画
『文人墨客』という言葉があります。詩文や書画に優れ、風雅な遊びを好む人々を指すものですが、そこには多様な「書く/描く」人々が包括されているように感じられます。今回はこの言葉をコンセプトにゆったりと構え、江戸時代の文人画に明治以降の書画を組み合わせました。全ての作品が共通のテーマを有しているものではありませんが、意外な組み合わせの中で思いがけない関係性が見つかるかもしれません。
また今回は「書く/描く」という行為に注目し、李朝の筆筒と江戸時代の矢立を
陶磁器展示室にて展示いたします。多彩な品々の緩やかな繋がりをお楽しみ頂ければ幸いです。
<展示作品>
斎藤茂吉 「おきなぐさ」、夏目漱石 「二行書」、正岡子規 「子規居士戯書」、小杉放菴 「螳螂」 他
H27.3.1~H28.1.5
初公開 半泥子からの書簡 作品とともに
実業家にして陶芸家、生涯「シロート」を貫き昭和の陶芸界で異彩を放った川喜田半泥子(1878-1963)。
今年度はその半泥子から「銀座 天一」初代の矢吹勇雄に宛てられた手紙を展示いたします。
開店後間もない昭和初期からの顧客となった半泥子へ、勇雄は折に触れ諸処の名物や珍味などを届けました。
半泥子の手紙にはそれらに対する礼や感想、近況報告などが親しい友人に話しかけるような調子でつづられています。
本文に添えられた絵も実に軽妙で、即興の筆の冴えが伝わってきます。半泥子による陶芸作品と共にお楽しみ下さい。
<展示作品>
「昭和三十一年六月二十八日付 書簡」、「梅文湯呑 銘「曙の香」」、「呉須流水文硯蓋」他