2022.3~2023.1

江戸から昭和のくずし字

近代化に伴い減じていった「くずし字」。紙に文字を書く機会すら減りつつある現代においては、基本的に縁遠い存在と言えるでしょう。しかしそれゆえに、判読できたときや「くずし方」を理解できたときにはそれだけで小さな喜びの念が生じるように思われます。今回は所蔵品のうち、江戸時代から昭和にかけて書かれたくずし字(墨書)をピックアップします。書かれた内容だけではなく、文字そのものも味わってみてはいかがでしょうか。

<展示作品>
芭蕉翁像子規居士戯書俳句短冊「正月や」おきなぐさ 他

2021.3~2022.1

朝鮮美術へのまなざし その背景

当館のコレクションにおいて重要なウエイトを占めるのが、李朝を中心とする朝鮮の美術工芸品です。民藝運動で知られる思想家・柳宗悦(1889-1961)らの活動がそれらの評価の向上に大きく寄与したことは周知の事実でしょう。柳は、それまで注目されずにいた日用の器物や民画に「健康な美」「正常な美」をみる、新しい視点を広く一般に示しました。「銀座 天一」初代の矢吹勇雄は柳より一回り年下でしたが、同時代人としてその見方を共有できた結果が現在のコレクションなのではないでしょうか。目の前の作品からそのことをうかがい知ることができたらと考えます。

<展示作品>
水滴 各種白磁壺粉青沙器線象嵌魚龍文扁壷花鳥図 他