おきなぐさ

斎藤茂吉(1882-1953)

「白頭翁 小さきみれば 木曽山に しみ入るひかり 寒しと思ふ」
ころころとした特徴的な字の短歌は、斎藤茂吉によるものです。白頭翁(おきなぐさ)はキンポウゲ科の草で、全体に白い長毛が生えるためこの名がついたというもの。茂吉の歌に時おり現れます。「ひかり」が「差し込む」ではなく「しみ入る」というあたりにシンとした寒さが感じられます。2022年は生誕140年の節目です。