葛飾北斎「東海道絵」より 「品川」
葛飾北斎
東海道第一宿の品川は海苔づくりの光景です。品川の海苔づくりは江戸時代から始まり、その養殖方法は各地に伝播しました。海苔の養殖は戦後までおこなわれていましたが、東京港の建設のために1962年(昭和三十七)をもって漁業権が放棄されたため、海苔づくりにも幕が下ろされたということです。
作業にいそしむ女性たちとその奥の木の枝・幹はそれぞれ三角形をなしており、遠くに見える富士山の形を反復して画面にリズムを生んでいます。
(※2018年3月1日~5月初旬の展示)