青花白磁花鳥文壺
朝鮮王朝時代〔1392-1910〕
青花白磁(青花)、青画ともいう。
青色顔料の回回青(呉須とも。コバルト顔料)で素地に文様を描いた白磁であり、藍染に色が似ることから日本では染付と呼び習わされてきた。
14世紀の末に半島でおこった朝鮮王朝すなわち李朝は、国教として儒教を採用するなど中国・明王朝(1368-1644)の影響を色濃く受けた。
青花も中国製品の影響下において、15世紀半ば頃に誕生したものとみられている。
材料の回回青は当初貴重品で、李朝の歴史書『朝鮮王朝実録』には国内で回回青を探させた記録が残る。
この青花壺は頸部にめぐられた雲状の如意頭文や垂直に立ち上がる口などの特徴から、18世紀頃の作と推測される。
吉祥をあらわす牡丹に小鳥をあしらった文様は、李朝の青花壺にしばしば見受けられる人気のモチーフである。
ここでは余白を充分に活用した瀟洒な仕上がりとなっており、絵付けをした職人の感覚が光る。